タイトル: grand gauge-Higgs unification アブストラクト:  大統一理論の一種である、「grand gauge-Higgs unification」について紹介する。  本シナリオの特徴は、大統一対称性を細谷機構を用いて破ることである。細谷機構とは、 高次元ゲージ理論において、ゲージ場の余剰次元成分が非自明な期待値を持つことにより 対称性を破る機構であり、その秩序変数はゲージ群の要素となるため、パラメータ空間が コンパクトになり、大域的な真空構造が決定されるという特徴がある。  本シナリオは、細谷機構で破られる大統一対称性がGeorgi-GlashowのSU(5)か、そうで ないかの二通りに大別される。前者の場合、超対称化すると所謂「Doublet-Triplet splitting」問題が自然に解決されると同時に、TeVスケールの実験で検証可能な予言が 導かれるため非常に興味深い。後者の場合、ゲージ群のランクが落ちるため大きな大統一 群を考える必要があるが、その中でも特に$E_6$群が現象論的に魅力的であり、研究を 進めている。  最近発表した論文(arXiv:1704.04840)において、$E_6$(非超対称)模型における細谷 機構の1-loop有効ポテンシャルを計算し、真空構造の解析を行った。この研究を中心に、 これまでの一連の研究について紹介する。