スピーカー:登口 暁 (三澤研PD) タイトル:Blue-excess dust-obscured galaxies (BluDOGs)で探るクエーサーの形成と進化 アブストラクト: これまで、宇宙の大規模構造を作っているのが銀河であり、その銀河ひとつひとつが 超巨大ブラックホール (質量が太陽質量の100万倍以上) を持つことが明らかにされて きている。これら超巨大ブラックホールとそれを宿す母銀河との間には質量に関係性 が観測的事実として明らかにされている。この関係性の起源を調べるために、超巨大 ブラックホールを宿す天体であるクエーサーが調べられてきた。クエーサーは太陽質量 の1000万倍以上の質量を持つブラックホールを宿す。このクエーサーの形成と進化に 関しては塵を多く持った銀河同士が合体して出来上がったというシナリオで説明される ことがある。このシナリオにおいて、塵を多く持った銀河同士が衝突した後、塵に覆われた 星形成銀河の段階、塵に覆われた活動銀河核の段階、塵を吹き飛ばす段階を経てクエーサー になるとされており、観測的にも塵に覆われた星形成銀河段階や活動銀河核段階も発見 されていた。しかしながら、塵を吹き飛ばす段階は予想される存在時間が短い事、 可視光で暗い事が理由でこれまで発見されてこなかった。 本研究ではすばる望遠鏡に搭載されている超広視野カメラ (HSC) でサーベイされた データとアメリカの NASA の打ち上げた中間赤外線観測衛星 (WISE) のデータを用いて 塵を吹き飛ばす段階の候補天体を選出し、その天体の分光観測を行なった。その結果、 中心核付近の領域において塵を吹き飛ばしている兆候が確認され、ブラックホール質量 もクエーサーの平均的な値よりも小さいということがわかり、シナリオに矛盾しない 結果を得た。