スピーカー:名古 竜二朗 (大阪公立大M2)

タイトル:シンプルなゲージ・ヒッグス大統一を目指して

アブストラクト:
素粒子標準模型はほぼ全ての実験事実と矛盾せず,電弱スケールより下の世界をよく
記述できている。しかし,電荷の量子化や階層性問題など,未解明の問題もまだまだ
ある。それらの解明のために標準模型を超える物理が多数模索されている。例えば,
ゲージ相互作用を統一し電荷の量子化を説明できる大統一理論や,階層性問題を解消
するゲージ・ヒッグス統一理論などが提唱されてきた。さらには,この2つの理論が
融合したゲージ・ヒッグス大統一理論も考えられている。ゲージ・ヒッグス大統一理論
は複数の問題を一挙に解決できる魅力的な枠組みではあるが,観測と整合するモデルは
未だに得られておらず,その構築が大きな課題である。モデルを複雑にすればいくつか
のことは説できるのだが,これでは理論の美しさが損なわれてしまう。そこで,シンプル
さに焦点を当ててモデルを構築していきたいと考える。
本トークでは,群論や余剰次元の知識を復習しつつ,大統一理論とゲージ・ヒッグス
統一理論について説明する。その後ゲージ・ヒッグス大統一理論の具体的なモデルと
してLim-Maruモデルをレビューする。このLim-Maruモデルはシンプルさの観点で良い
特徴をもっている。この特徴を改めて「要請」とし,そのもとで系統的なモデル探索を
行うことで,我々は同じ特徴をもつ新モデルを発見した。この手法と結果について紹介
する。最後にこれらのモデルが抱える問題を挙げ,将来の展望についてお話したい。