スピーカー:渡辺 涼太 (京都大D3) タイトル:Double-scaled SYK模型とその類似模型、およびフェルミオン鎖演算子の複雑性について アブストラクト: 量子系の演算子が時間と共にどれだけ複雑化するかという問題は、量子系のダイナ ミクスのカオス性の研究において重要である。演算子の複雑性の指標として近年提案 されたKrylov複雑性は、演算子の自己相関関数から計算可能な量であり、その性質が 多くの研究によって解き明かされつつある。一方、カオス性や複雑性の研究において はSYK模型がホログラフィの観点から注目されてきたが、最近ではその一種の極限で あるdouble-scaled SYK(DSSYK)模型が解析的な手法で研究され、そのダイナミクス が盛んに議論されている。今回、我々はDSSYK模型において複数のマヨラナフェルミオン がランダムに結合した演算子のKrylov複雑性を計算し、その振る舞いを演算子の自己 相関関数あるいはそのスペクトルの観点から理解する。また、SYK模型の類似模型の double scaling極限についても触れたい。本講演は2312.16833および姉川尊徳氏との 共同研究に基づく。