<<<「@」を「__AT__」に置き換えています>>> Date: Sun, 21 Sep 2025 14:02:58 +0900 To: qcdmof__AT__cns.s.u-tokyo.ac.jp, sg-l__AT__ml.yukawa.kyoto-u.ac.jp, ml-np__AT__rcnp.osaka-u.ac.jp, ntj-l__AT__yukawa.kyoto-u.ac.jp Subject: [Sg-l:9705] 第44回Heavy Ion Pub研究会のお知らせ(2025年10月3日(金)15:00-__AT__阪大) From: Yukinao Akamatsu (Sg-l 経由)皆様、 依頼により、第44回Heavy Ion Pub研究会の案内をお送りします。 皆さまの積極的かつ気軽な参加を歓迎致します。 赤松幸尚(大阪大学)、世話人一同 ---- 第44回Heavy Ion Pub研究会 「QCD臨界点をめぐって」 日時: 2025年10月3日(金)15:00より 会場: 大阪大学理学部H701号室 (交通案内: https://www.sci.osaka-u.ac.jp/ja/access/campusmap/) 大阪大学 大学院理学研究科・理学部 国立大学法人大阪大学 大学院理学研究科・理学部公式ウェブサイトです。 www.sci.osaka-u.ac.jp プログラム: 14:55 - 15:00 はじめに 15:00 - 16:15 講演・野中俊宏「原子核物質の相図とその臨界点 — Beam Energy Scanで何が見えてきたか」 16:30 - 17:45 講演・曽我部紀之「QCD臨界点の探索に向けて:Beam Energy Scan と理論的課題・展望」 18:00 - Pubセッション (懇親会(+ポスターセッション)) — *Pubセッションの参加費は、500円ほどを当日現金徴収の予定です。 ●講演 講師: 野中俊宏 氏 (筑波大学) 題目:原子核物質の相図とその臨界点 — Beam Energy Scanで何が見えてきたか 概要:原子核物質の相図を理解する上で、重イオン衝突実験における保存量ゆらぎの測定は重要な手がかりを与える。RHIC-STAR実験では、この相図の解明を目指して Beam Energy Scan (BES, 2010-2017) を実施し、高バリオン密度領域における臨界点の兆候を報告した。さらに精密な測定を目的とした 第2期BES(2019–2021年) が行われており、その最終成果は近く Physical Review Letters に掲載される見込みである。また、より高密度領域を探索するための固定標的実験の解析も進行中である。 本講演では、まず保存量ゆらぎの測定手法と必要な補正技術について概説する。その上で、陽子数ゆらぎの中心衝突度依存性、ラピディティ幅依存性、衝突エネルギー依存性といった最新の実験結果を紹介し、それらの解釈と、今後克服すべき実験的課題について議論する。 講師: 曽我部紀之 氏 (大阪大学) 題目:QCD臨界点の探索に向けて:Beam Energy Scan と理論的課題・展望 概要:QCD の相図には、ハドロン相とクォーク・グルーオン・プラズマ相の間に、カイラル対称性の自発的破れに伴う一次相転移線と、その終端に臨界点が存在する可能性が指摘されている。しかし有限バリオン化学ポテンシャル領域では格子 QCD 計算に符号問題があり、その存在はいまだ確定していない。 この問題に迫るため、RHIC では 2010 年頃から Beam Energy Scan (BES) 実験が行われている。この実験では、衝突エネルギーを変化させることで異なる初期状態を生成し、その後の流体発展を経て到達する凍結温度・化学ポテンシャルを観測することで相図の探索を進めている。特に 2024 年に米国バークレーで開催された Critical Point and Onset of Deconfinement(CPOD)では、陽子のゆらぎを特徴づける統計量(キュムラント)が、臨界点を仮定した熱平衡描像と定性的に一致することが報告され、臨界点探索は定量的検証の段階に入りつつある。 一方で、理論的課題も残されている。実際に観測されるゆらぎは、凍結点で決まる単純な平衡値では説明できない。流体膨張に対してゆらぎの応答が遅れる「記憶効果」により、観測値は凍結以前の流体で生成されたゆらぎを反映するためである。 本発表では、この問題に対して、これまでに我々が採ってきたアプローチを紹介する。まず、非平衡場の理論の手法を応用してバリオン数ゆらぎの時間発展を体系的に記述する枠組みを構築した(Sogabe & Yin, JHEP 2022)。この枠組みにより、任意の流体発展を背景とするゆらぎのダイナミクスを数値的に解析できるようになった。 次に、実際の重イオン衝突後の流体発展を組み込むため、実験と比較可能な最も単純な理論モデルを導入した。三次元イジング模型と QCD 臨界点の普遍クラスとの対応を利用し、臨界点の性質を取り込んだ状態方程式に基づき、理想流体発展を解析した。その結果、臨界点近傍では、流体がカイラル相転移線上の臨界点とは別の特徴的な点に引き込まれるという普遍的な振る舞いを明らかにした(Pradeep, Sogabe, Stephanov, Yee, PRD 2024)。さらに、この振る舞いが凍結化学ポテンシャルの不連続な「跳び」として観測され得る可能性や臨界点探索に向けた理論研究の展望についても議論する。 世話人: 浅川正之(大阪大学)・北沢正清(京大基研)・志垣賢太(広島大学)・下村真弥(奈良女子大学)・野中千穂 (広島大学) ・原田正康 (名古屋大学) 主催: Heavy Ion Pub(http://hken.phys.nagoya-u.ac.jp/hip/) %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% To: Yudai Suwa (Sg-l 経由) , "ntj-l__AT__yukawa.kyoto-u.ac.jp" , 'Katsuhisa Nishio' via ml-np Date: Wed, 3 Dec 2025 09:12:57 +0000 Subject: [Sg-l:9909] 第45回Heavy Ion Pub研究会のお知らせ From: Chiho Nonaka (Sg-l 経由) 皆様 2025年12月23日(火)15時より第45回Heavy Ion Pub研究会を 広島大学にて開催いたします。 興味をお持ちの方、ぜひご参加ください。 世話人: 浅川正之(大阪大学)・北沢正清(京大基研)・志垣賢太(広島大学)・下村真弥(奈良女子大学)・野中千穂 (広島大学) ・原田正康 (名古屋大学) ------------------------------------------------------------ 第45回Heavy Ion Pub研究会 「ジェットエネルギー損失を巡って」 日時: 2025年12月23日(火)15:00より 会場: 広島大学理学部講義管理棟E1階 E104号室 (地図のN02) https://archive2.hiroshima-u.ac.jp/access/higashi-hiroshima3.pdf 15:00 - 16:15 講演1・熊岡 卓哉(東大QNSI) 「LHC-ALICEにおけるRun2でのジェット原子核効果因子および方位角異方性の測定とトイモデルによるQGP中でのパートンエネルギー損失」 16:30 - 17:45 講演2・渡邉 和宏(東北大学) 「陽子-原子核衝突実験で探るパートンエネルギー損失」 18:00 - Pubセッション(+ポスターセッション) *Pubセッションの参加費は、500円ほどを当日現金徴収の予定です。 ●講演 講演:熊岡 卓哉 (東大QNSI) 題目:LHC-ALICEにおけるRun2でのジェット原子核効果因子および方位角異方性の測定とトイモデルによるQGP中でのパートンエネルギー損失 概要:高エネルギー原子核衝突実験におけるクォーク・グルーオンプラズマ(QGP)の生成の証拠として、 これまでジェットの原子核効果因子(RAA)や方位角異方性(v2)が求められてきた。 RAA、v2はともに硬散乱で生じたパートンがQGP中を通過し、エネルギー損失をしていた場合に 感度のある測定値である。 RAAは陽子-陽子衝突と重イオン-重イオン衝突のジェットの生成量比、 v2は重イオン-重イオン衝突のみを使ったQGPの形状を考慮したジェットの放出角から得られる値 という違いはあるが、対象とする物理事象は同じものである。 しかしながら、これまで同一の測定条件でこれらは求められてこなかった。 今回RAAとv2をLHCーALICE実験Run2のデータを用いて同条件で測定した。 さらに衝突原子核の初期密度とその形状だけを考慮した非常にシンプルなトイモデルシミュレーションを行い、 これらの実験データと比較することでパートンエネルギー損失に関わる値を求めた。 本講演ではこれらの測定結果およびシミュレーション内容について報告する。 講師:渡邉 和宏(東北大学) 題目:陽子-原子核衝突実験で探るパートンエネルギー損失 概要:高エネルギー原子核衝突において生成したパートン (クォーク・グルーオン) の断面積は, 衝突後に生成される高温媒質との終状態相互作用によって変調を受ける. 一方, パートンが 冷たい原子核媒質中を通過することでも生成断面積は変化し, そのような標的原子核効果 (CNM効果) は, 高温媒質効果とは区別して議論される必要がある. 原子核衝突現象の全容解明には, このCNM効果の 定量的かつ包括的な理解が不可欠である. 本講演では, CNM効果の一つである原子核媒質中での パートンエネルギー損失機構を取り上げる. この効果は, 陽子-原子核衝突のような小さな系での 粒子生成を通して詳細に調べることが可能である. 本講演では, 摂動QCDに基づいたエネルギー損失効果の 計算の基礎を概説するとともに, 陽子-原子核衝突実験データとの定量的な比較を紹介する. さらに, エネルギー損失以外の他のCNM効果との比較についても議論する. 世話人: 浅川正之(大阪大学)・北沢正清(京大基研)・志垣賢太(広島大学)・下村真弥(奈良女子大学)・野中千穂 (広島大学) ・原田正康 (名古屋大学) Heavy Ion Pub(http://hken.phys.nagoya-u.ac.jp/hip/)