タイトル:
相互作用のある場の理論におけるエンタングルメントエントロピー

アブストラクト:
場の理論においてエンタングルメントエントロピー(EE)は、分かれた空間領域の
間の量子相関を表す指標として議論される。共形場理論や自由場理論においては
解析が進んでいる一方、一般の相互作用のある場の理論においては、計算の困難
さや、くりこみとの兼ね合いといった概念上の難しさから理解が十分進んでいな
い。しかしこの課題は、EEを現実的な物理、特に我々が知覚する低エネルギー物
理と結びつける試みにおいて重要である。
我々の研究では、相互作用のある場の理論での半空間のEEを解析した。我々はオ
ービフォールド法を利用することで、EEの内プロパゲータ由来の寄与と相互作用
頂点由来の寄与という、二つの特別な部分を見出した。そしてそれらが基本場や
複合演算子のくりこまれた相関関数を用いて表せることを示した。
さらに我々は、この結果をWilson流のくりこみ群と組み合わせることで、IR極限
の有効場理論においてEEは上記二つの寄与からのみなるのではないかと観察して
いる。すなわち、EE(あるいはある種のユニバーサルな部分)は、低エネルギーの
自由度と直接結びついているとみられる。
このトークはarXiv:2103.05303, 2105.02598, 2105.14834に基づく。