スピーカー:藤田 智弘 (お茶の水女子大) タイトル:重力をつくる物質が量子的なとき、光はどう進むか? アブストラクト: 一般相対論では、物質があると周囲の時空が曲がり、その中を進む光の伝わり方も 変わります。一方、量子力学では、物体は異なる場所の重ね合わせのような量子的な 状態をとることができます。では、重力をつくる物質が重ね合わせ状態にあるとき、 光はどのように伝わるのでしょうか? 本セミナーでは、重力源となる物質を量子力学的に扱ったとき、光の伝わり方や 「ある出来事が別の出来事に影響を与えられるか」という因果関係がどう変わるのか を考えます。このとき、光が届く境界そのものが量子的に揺らぎ、場合によっては 二つの出来事の因果関係まで重ね合わせになることが分かります。 少し専門的に言うと、ニュートン重力近似と重力源の非相対論的極限がともに有効な、 プランクスケールよりはるかに低いエネルギー領域において、重力源を量子化した ときに光円錐や因果構造にどのような量子効果が現れるのかを調べます。時空の 量子性についてボトムアップに何が言えるのか、を分かりやすく議論します。